2025年も残すところあと僅かとなりました。皆様にとって今年の下高井戸はどのような一年だったでしょうか。
少しずつ、しかし着実に変わりゆく駅前の景色。新しい息吹に期待が膨らむ一方で、慣れ親しんだ灯りが消える寂しさも感じる一年でした。下高井戸のシンボルであった下高井戸駅前市場が閉場した激動の2024年を経て、比較的穏やかな時が流れた2025年の下高井戸を振り返ります。
去年と比較したい方は2024年総括もご覧ください。
下高井戸駅前の風景
私たちの生活の拠点である駅前は、再開発に向けた「静かな準備期間」のような一年でした。
下高井戸駅前市場の跡地
2024年末、長年愛された駅前市場が更地になった際は、その広さと土の匂いに街の記憶が消えてしまうような一抹の寂しさを感じたものです。 今年に入り、むき出しだった地面の舗装が完了し、整然と柵が設置されました。 劇的な変化こそありませんでしたが次なる一歩を待つ「静かな決意」を感じさせる風景へと整えられています。
旭鮨総本店の跡地
下高井戸を象徴する老舗だった「旭鮨総本店」の跡地は、現在はシェアサイクルのダイチャリと駐車場として利用されています。 かつての賑わいを知る者としては少し物足りなさもありますが、新ビル完成に向けた「ひと休み」といったところでしょうか。 2027年2月のオープン予定まであと1年強。現在の更地の状態から本当に間に合うのか、期待と少しの不安を抱えながら見守っていきたいと思います。
去年10月にオープンしたOlive Loungeのスターバックスコーヒーは下高井戸に根付いて、いつも賑わっています。駅前のお店が賑わっているのは嬉しいですね。
新店舗オープン
今年も下高井戸の食卓を豊かにしてくれる、個性豊かな4店舗が仲間入りしました。
隠れ家イタリアン肉バル「La Carne」
今年6月にオープンしたLa Carne(ラ・カルネ)は店名の通り、お肉を主役にしたイタリアン。インド・ネパール系の新しい業態で、隠れ家の名にふさわしい落ち着いた雰囲気は、日常を忘れてゆっくりと食事を楽しむことができます。
内房の新鮮な魚が魅力「キッチンバロン」
今年7月にオープンしたキッチンバロンは、和食をベースにしたレストランで、内房直送の魚の他に肉やカレーも楽しめます。駅のすぐ裏側にあるお店にもかかわらず、人通りが少ない通りに面しているため穴場感があるのも魅力です。
台湾豆乳・豆花専門店「豆漿日和」
今年9月にオープンした二吉軒監修 豆漿日和(どうじゃんびより)は優しい甘さとヘルシーさで瞬く間に人気店へ。朝食やティータイムにいただく豆花(トウファ)は、街に新しい癒やしの習慣を作ってくれました。
個性派イタリアン「Che Cosa?」
今年11月にオープンしたChe Cosa?(ケコーザ?)は「何これ?」と思わず顔がほころぶような、驚きと遊び心に満ちたイタリアン。既存の枠にとらわれない自由な発想の料理は、下高井戸のグルメシーンに新しい刺激を注入してくれています。
移転・リニューアル
馴染みのお店が新しく生まれ変わる姿を見るのは、地元のファンとして嬉しい限りです。
駅前に移転、スパイスカレーとクラフトビール「Hatos Outside」
「Hatos Outside」が駅前に移転しました! こだわり抜かれたスパイスカレーとクラフトビールの組み合わせは相変わらず絶品。アクセスが良くなり、仕事帰りについ吸い寄せられてしまう方も多いのではないでしょうか。
リニューアル大成功!カフェ「MR. HIPPO COFFEE」
洗練された空間へとリニューアルを遂げた「MR. HIPPO COFFEE」。より居心地の良さが増した店内で、美味しいコーヒーを片手にする読書や語らいの時間は代えがたい贅沢です。地域の憩いの場としてさらにその存在感を強めています。さらに、下高井戸でハンバーガーを食べられるお店になったのは大きな魅力ですね。
長年愛された老舗が閉店
新しい出会いがある一方で、長年街を支えてくれた灯りが消える寂しいニュースもありました。
ベーカリー「オーロール」
エスポワール、ファイブスターズに続いて、魅力的なベーカリーが閉店しました。朝、店先から漂う甘いパンの香りは下高井戸の日常そのものでした。長きにわたり、安心と美味しさを届けてくださったことに心から感謝いたします。
蕎麦「寿々木家」
今日はお蕎麦にしようと多くの人が暖簾をくぐった名店。あの伝統の味と懐かしい佇まいがなくなるのは本当に寂しいですが、これまで本当にお疲れ様でした。
寿々木家跡地は2027年2月に新し店舗がオープンする予定です。くしくも旭鮨総本店のリニューアルと同じ月ですね。楽しみに待ちたいと思います。
緩やかに、少しずつ変化
閉店ではないですが、下高井戸の情報を長年発信し続け、街の「顔」でもあった豆腐店「いづみや」の名物店長が今年退職されました。自店の宣伝をそっちのけで、店長が発信する下高井戸愛に溢れた情報は、どれほど多くの人の役に立ち、下高井戸の発展に貢献したか計り知れません。本当にお疲れ様でした。そして、これからの新しいステージでのご成功を下高井戸の空の下からお祈りしております。下高井戸に戻ってくるんだよ。。
振り返ってみれば、2024年の激動に比べると、2025年は変化のスピードが緩やかになった一年でした。しかし、それは決して停滞ではなく、次の大きな飛躍のための「準備」の年だったのだと感じます。
新しい店が根付き、古い店が惜しまれつつバトンを渡す。そんな風に下高井戸は少しずつ新しい街の形へと歩みを進めています。2026年、下高井戸にはどんな驚きと美味しさが待っているのでしょうか。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。来年も下高井戸の美味しいニュースをたくさんお届けできることを楽しみにしております。